霜降り茶「春の悪夢」とは、
30年ぶりに来た遅霜で、収穫直前の春の新芽が凍り、茶畑で溶けてしまい、そのまま乾燥し崩れてしまう茶葉をジャストタイミングで収穫し、白茶製法(自然萎凋+自然乾燥+仕上げ乾燥)でお茶につくり上げました。
通常の収穫量の15分の一しか作ることができない自然と人が織りなす貴重なお茶です。
2019年5月8日早朝、和束町が冷え込み霜が降ったのです。
そのためお茶の新芽が凍り、その後快晴だったので急速に解凍されて、茶農家が、丹精込めて一年間育てた美味しい大事な春の収穫寸前まで育ったお茶の新芽が赤く枯れてしまったのです...
和束町は山間地域で、何年かに一度、霜が降ります。
同じ日に、霜に合わなかった茶畑の春の新芽の様子。
左のような綺麗な鮮緑色で、みずみずしく、柔らかい新芽が、
右のように赤くなってしまいます。
同じ畑でも、霜にあってしまい凍ってしまった新芽と、あまり凍らず鮮やかな緑色をかろうじて保っている新芽を収穫し、
その後一晩と半日、様子を観ながら萎凋をさせています。
お茶の葉が持つ自身の酵素で、自然に発酵し、ゆっくり香りの成分や茶の葉の色が変化していきます。
お茶の葉が自然に乾燥して、水分が30%ほど減りました。
すごく良いお茶の香りの中に、花のような香り、リンゴやキューイフルーツのような香りが感じられるようになってきました。
お茶って不思議ですね!
興味深い!
そして次の日、天日に干してさらに萎凋させました。良い天気だったので、20分くらいでいいかんじに!
香りを凝縮できたらいいなぁと、全体にお日様の光と熱やその恵みを受けてもらいたくて、かき混ぜています。
混ぜていると、良い香りが立ち昇ってくる感じです。いい感じ?
さらに半日萎凋をさせながら、乾燥を進め、乾燥機で仕上げの乾燥をします。
やわらかい若い新芽の証明である、芯のところや、葉の裏側に白い産毛のような「毛茸~もうじ~」も、しっかり残っています!
優しく美味しくなあれとお祈りしながらかき混ぜたので、
可愛い一芯二葉の姿も残せました!
出来上がったお茶の量は、びっくりするくらい少ないです
いわゆる日本の緑茶の評価基準では、このような霜が降りた茶畑の茶葉はお茶にならないと、刈りほかしてしまったり、製茶をし出荷をしたとしても、評価が著しく下がってしまうのが一般的なことだったりします。
そしてお茶農家にとって、経済的にも精神的にも大ダメージになってしまう自然の恵みだったりします。
この山間地域の霜被害は、山間地域での茶業離れ、特に後継者不足の一因になっていると考えられています。
おぶぶ茶苑では、
「日本茶を世界へ」
「茶畑から社会貢献」
「農業を楽しく」
をミッションに掲げ、お茶をつくり、お届けしています。
この霜降り茶
「春の悪夢」づくりや我々の活動が、
新たな日本茶の魅力の創造、
現在の山間地域における後継者不足問題に対する変化のきっかけ、
霜が降りたら、面白い美味しいお茶が作れるチャンス!
あらゆる自然の恵みを恩恵に変えることが出来て、「農業をさらに楽しく」出来たらいいなと願っています。
白茶を飲み慣れた海外からのお客様にも、ご好評いただき大人気!豊潤で熟成されたフルーツの様な香りを楽しめる、そんなお茶が出来ました。
ぜひお試しください!